2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

井上靖『本覚坊遺文』(講談社文芸文庫)

それがこんど、大徳屋の主人の誘いを素直に受けて、有楽さまの隠居所の候補地の下見にのこのこついて行くようになったのは、私に誘いをかけてくれたその時の大徳屋の主人の言葉に、ふと抵抗できないもののあるのを感じたからである。 ――まあ、一度会ってみな…