舩後靖彦 寮美千子 『幸せの王様 全身麻痺のALSを生きる舩後靖彦の挑戦』

https://www.amazon.co.jp/%E5%A2%97%E8%A3%9C%E6%96%B0%E8%A3%85%E7%89%88-%E3%81%97%E3%81%82%E3%82%8F%E3%81%9B%E3%81%AE%E7%8E%8B%E6%A7%98-%E5%85%A8%E8%BA%AB%E9%BA%BB%E7%97%BA%E3%81%AEALS%E3%82%92%E7%94%9F%E3%81%8D%E3%82%8B%E8%88%A9%E5%BE%8C%E9%9D%96%E5%BD%A6%E3%81%AE%E6%8C%91%E6%88%A6-%E8%88%A9%E5%BE%8C-%E9%9D%96%E5%BD%A6/dp/4907542275/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&keywords=%E8%88%A9%E5%BE%8C%E9%9D%96%E5%BD%A6&qid=1568037289&s=books&sr=1-1

 

リンクは新装版。読んだのは2008年葉月社版。

 

呼吸器をつけるかどうかで揺らぐ思いをつづった

P.100から103までの短歌10首。

 

地獄かな 自宅介護で生きる道

倒れる家族救う術なし

 

闇が言う 断てよ命を己が手で

家族を襲う地獄は永久ぞ

 

天が言う 保て命を苦しくも

妻子守るが汝が務め

 

寝たきりの我に愛しき妻と子を

守る術なし 逝くことが愛

 

子を見れば生きたくなるが

介護苦は与えられじと 迷い振りきる

 

呼吸器をつけずに死ぬと決めし夜に

娘の目を見て無言で詫びる

 

呼吸器を外し家族を捨て死ぬもよいが

あたかも自殺のごとし

 

医者いわく「このまま死ぬのは勝手だが

今やれる事やれ 人ならば」

 

隣室の呼吸器の音漏れ聞こゆ

健気に生きる友そこにあり

 

死を望む我に生きよと告ぐる声

廊下に響く呼吸器の音